紅茶が好きな人なら、1度は「オレンジペコ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
紅茶のパッケージに「オレンジペコ」や略して「OP」と書かれていることがありますが、実はこれが何を意味しているのか詳しく説明できる人は少ないんです。
この記事では、オレンジペコが一体何なのかを詳しく説明します。
この記事でわかること
- オレンジペコが何であるかを知りたい人
- 紅茶のグレードについて学びたい人
- オレンジペコの由来が気になる人
さて、オレンジペコについて詳しく見ていきましょう。
オレンジペコとは何?
「オレンジペコ」とは、紅茶の味や特定の商品名を指すのではなく、紅茶の「等級」、つまり品質を示すランクの一つなんです。
「オレンジの香りがするからオレンジ風味の成分を含んでいる」とか「オレンジペコという特定の品種やフレーバー、地名の紅茶がある」と思われがちですが、これらは間違いです。
「オレンジペコ」というフレーバーの紅茶があるわけではありません。
実際には、「オレンジペコ」はオレンジのフレーバーや香りとは無関係で、紅茶のサイズや品質を区別するための等級名です。
オレンジペコと名付けられた紅茶は存在しない
オレンジペコとは、特定の産地や味(商品名)の紅茶ではなく、紅茶のサイズやグレードを示す用語です。
例えば、お店で「オレンジペコください」と頼んだ場合、特定の紅茶を求めているわけではなく、特定のサイズやグレードを持つ紅茶を求めていることになります。
ですから、どの紅茶のオレンジペコを欲しいかをはっきりと伝える必要があります。
市場には「オレンジペコ」と名付けられた商品もありますが、これは特定のブレンドや味を示すわけではなく、一定のグレードを持つ紅茶を指します。
例えば、「ロンネフェルト セイロン オレンジペコ」という紅茶は、スリランカ産セイロンの紅茶で、オレンジペコの基準を満たしているという意味です。
このように、「オレンジペコ」は特定の産地やフレーバーを示すものではなく、紅茶の品質の一つの基準を指す用語なので、それを理解しておくと、紅茶選びがさらに楽しくなるでしょう。
オレンジペコと紅茶の等級について
紅茶の等級(グレード)って何?
紅茶には「等級」という言葉があることを知っていますか?
普通、「等級」と聞くとランキングや階級を思い浮かべるかもしれませんが、紅茶の世界ではちょっと違います。
紅茶のグレードは、茶葉の形やサイズに基づいていて、これが直接その紅茶の美味しさや品質を示すわけではありません。
紅茶が作られる過程で自然に出来る茶葉の大きさや形が、グレードを決める基準になっているんです。
「大きい茶葉は良い紅茶」とか「小さい茶葉は悪い紅茶」というわけではないので、サイズだけで紅茶の質を判断するのは適切ではありません。
なぜ紅茶はグレードに分けられるの?
紅茶の茶葉はもともとの葉から選別され、加工される過程でさまざまなサイズや形に加工されます。
茶葉のサイズが違うと、紅茶の味が出る速さにも差が出てきます。
小さい茶葉は早く味が出るため、これらを一緒に混ぜてしまうと、紅茶を淹れたときの風味や色にばらつきが出てしまうんです。
だから、紅茶はそのサイズや形によって分類され、それがグレードとして名付けられます。
ただし、世界中で完全に同じグレードが使われているわけではなく、生産者やブランドによって少し違いがあります。
たとえば、インドの紅茶には「ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジペコ・ワン」(FTGFOP1)というとても長い名前のグレードがありますよ。
オレンジペコってどんな等級?
オレンジペコはどんなグレードかというと、細長くねじれた針金状の形をした大きな茶葉を指します。
具体的には、茶葉の長さが7〜11mmで、葉自体は比較的薄いです。
このオレンジペコから抽出される紅茶の色は、名前の通り薄いオレンジ色になります。
これらの特性により、オレンジペコは大きなリーフタイプの茶葉として分類されていて、紅茶の中でも特別な位置を占めています。
それは、特定の製造プロセスや基準をクリアした高品質の茶葉だけがこの名前を持つからです。
オレンジペコの名前の由来とその背景
オレンジペコという名前がどのようにして付けられたのか、その背景には興味深い歴史があります。
この紅茶の等級が果物のオレンジとは無関係であるにもかかわらず、なぜ「オレンジペコ」と名付けられたのでしょうか?
オレンジペコという名前の起源
この名前の由来は中国の福建省にある「白茶」というお茶に関連しています。
白茶はその特徴的な白い産毛を持つ茶葉を「白毫(パイハウ)」と呼び、この言葉が福建語で「ペーコー」と発音されることから派生しました。
この言葉がヨーロッパ、特にイギリスへと伝わり、紅茶が広く愛される文化の中心地であるイギリスの王室や上流階級に広まりました。
19世紀には、インドとセイロン(現スリランカ)で栽培された紅茶の中で、この白毫がオレンジ色を帯びていたものがあり、「オレンジペコ」という名前が生まれたのです。
これは、通常の白い産毛とは異なるオレンジ色の産毛を持つ茶葉にちなんで名付けられました。
白茶と紅茶の違い
白茶は強発酵する紅茶とは異なり、発酵が少ない弱発酵茶に分類されます。
白茶はその透明感のあるやや黄色がかった色と、繊細な甘みを持つ上品な味わいが特徴です。
日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、機会があれば是非試してみる価値があります。
まとめ:等級の理解で紅茶の魅力を深掘り
この記事で、オレンジペコという等級の背景とその由来について解説しました。
等級は、すなわち茶葉の大きさや形が紅茶の抽出において非常に重要です。
どの等級に属する茶葉を使っているかを理解することで、紅茶の魅力をさらに深く掘り下げ、美味しく楽しむことができます。