紅茶の等級について【分類と特徴】

豆知識

この記事では、紅茶の等級にスポットを当て、その意味と重要性について詳しく説明します。

商品のパッケージや名前に記載されることの多いOP(オレンジペコ)、BOP、FOPなどの等級は、紅茶の抽出過程にも影響を与える重要な要素です。

まずは、等級とは何か、その基本について見ていきましょう。

紅茶の等級とは?

紅茶の等級は品質を示すものではない

等級やグレードという言葉は、直接的に紅茶の「味」や「品質の高さ」を指すわけではありません。

等級は紅茶の特性を表し、それが必ずしも品質の高さを意味するわけではありません。

実際、紅茶の等級は製造過程において異なる形状やサイズの葉が生まれることから、これらを選別して均一の味を保つために設けられたカテゴリーです。

同名の等級でも意味は異なることがある

たとえば「FOP」という等級があるとしますが、これが茶葉のサイズや形状を示す場合と、摘む前の葉の部位を示す場合があります。

例えば、「一芯二葉」という収穫方法では新芽が多く、それが紅茶の甘味や滑らかさに影響します。

一方、「一芯三葉」という方法では収穫量が増え、量産に適しています。

新芽の多さは通常、高級品とされますが、新芽だけの紅茶が最も美味しいわけではなく、個人の好みによって評価が異なります。

なので、ぜひ様々な組み合わせを試してみてください!

紅茶の主要な等級とその特徴について

紅茶にはさまざまな等級が存在し、その中でも特に一般的なのがOP(オレンジペコ)、BOP(ブロークン・オレンジペコ)、CTCなどの表記です。

世界には統一された紅茶の等級基準が存在しないため、各生産者が独自の基準を設けています。

そのため、同じ等級名でも、サイズや品質が異なることがあります。

ここでは、日本で一般的に用いられる等級基準に基づいて各等級を解説します。

OP(オレンジ・ペコ)

OPとは、紅茶の葉が細長く針のようにねじれた形状をしており、長さが7〜11mm程度のものを指します。

オレンジペコという名前にもかかわらず、オレンジの香りや味は含まれていません。

この等級はフルリーフタイプに分類され、特にセイロンティーに多く見られます。

FOP(フラワリー・オレンジ・ペコ)

FOPはオレンジペコの中でも、新芽が豊富に含まれる高級等級です。

新芽の柔らかさと甘みが特徴で、フラワリーという名前が示す通り、花のような優雅な香りが楽しめます。

BOP(ブロークン・オレンジ・ペコ)

BOPはオレンジペコを小さくカットしたもので、粒径が2〜3mmの茶葉です。

この等級の紅茶は抽出が早く、濃厚な味わいが特徴で、主にティーバッグに使用されます。

BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス)

BOPFはBOPをさらに細かくしたファニングスと呼ばれる紅茶で、非常に速い抽出が可能です。

これもティーバッグ製品に頻繁に利用されています。

D(ダスト)

ダストは紅茶の中で最も細かい粒状のものを指し、特にティーバッグで用いられる等級です。

抽出が非常に速いため、手軽に濃い味わいを楽しむことができます。

CTC(クラッシュ・ティアー・カール)

CTCは等級名ではなく、紅茶の製造方法を指す言葉で、この方法で製造された紅茶は特有の丸い形状をしており、ティーバッグやブレンド用に広く利用されています。

CTC製法は大量生産に適しており、濃厚な味わいの紅茶が得られるのが特徴です。

これらの等級は紅茶の製造過程と品質の多様性を示しており、新しい等級に出会った際にはそのサイズや特性を確認する際に役立ちます。

紅茶の等級の深掘りとアルファベットに関するガイド

さらに詳しい紅茶の等級と、等級を示すアルファベットの意味について解説します。

FTGFOP1(ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジペコ・ワン)

FTGFOP1は、特にダージリン地区で見られる紅茶の等級です。

「ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジペコ・ワン」という長い名前が示す通り、新芽が豊富で茶葉が良く揉まれているため、香りと色が非常に良いです。

アッサム地区では、類似の高品質のTGFOP等級が使用されます。

P(ペコ)、PS(ペコ・スーチョン)、S(スーチョン)

これらは成熟した硬い葉を使用した珍しい紅茶の等級です。

通常、これらの等級の紅茶は単体での販売は少なく、特にスーチョンはラプサンスーチョン(正山小種)などの特定の紅茶で使用されます。

硬くなるにつれて風味や香りが薄れる傾向があります。

また、OP(オレンジペコ)がカットされることでBOP(ブロークン・オレンジペコ)になり、同様に他のカットバリエーションも存在します。

アルファベット等級の要点

紅茶の等級は、製造者やブランドによって異なるため、等級を示すアルファベットも一定のルールを持ちます。

F

「F」は「ファイン」(fine)を意味し、品質の高さを示します。

また、「フラワリー」(flowery)として新芽が多いことを表します。

例:FOP、FTGFOP1

G

「G」は「ゴールデン」(golden)で、黄金色の水色を示し、色の良さを表します。

例:GFBOP、GBOP、TGOF

T

「T」は「ティッピー」(tippy)と呼ばれ、新芽が多いことを意味します。

これは紅茶の甘みと高級さを示します。

例:FTGFOP1、TGOF

S

「S」は「スペシャル」(special)で、最高級品を意味することがあります。

例:SFTGFOP1

B

「B」は「ブロークン」(broken)を意味し、茶葉が細かくカットされたことを示します。

これは比較的小さなサイズの茶葉です。

例:BOP、BP、BOP1

F(最後に位置する場合)

この「F」は「ファニングス」(fannings)を表し、非常に細かい茶葉の粒度を意味します。

例:BOPF、PF、TGOF

D

「D」は「ダスト」(dust)で、最も小さい茶葉の粒度を表し、主にティーバッグに使用されます。

例:PD

まとめ

今回は、紅茶の多様な等級とそのアルファベット表記について紹介しました。

これにより、さまざまな紅茶の風味や抽出時間の違いをより楽しむことができます。

次に紅茶を購入する際は、パッケージを見て普段飲んでいる紅茶の等級を確認してみるのも良いでしょう。

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